木のおはなし

木の適材適所

どこにどんな木材をつかうの?

 家を支える柱に使用する建材には、真っすぐで強度が高い事、狂いが少ない事、大きな節や割れ目が少ない事が求められます。木取りを行う際、年輪の中心部である樹心を含んでいるものを芯持ち材、樹心を含まないものを芯去り材と呼びますが、一般的には芯持ち材の方が強いといわれ、柱にはこの部分を使うのが良いとされます。
最適な樹種として、ヒノキとスギが挙げられます。ヒバ国産のツガにも根強いファンが多いようです。実際に多く使われている樹種としては、通し柱にはヒノキ、スギの他に輸入材であるベイツガが多く、管柱に使われる材としては、大壁にはスギ、ベイツガ、ヒノキなどです。真壁ではヒノキ、スギの他に化粧板を施した集成材も人気があります。

  梁は、桁行方向と垂直方向に渡す横架材で、屋根の加重を柱に伝える梁を小屋梁、上階の床組を支えるものを床梁と呼びます。梁に使用する木材に最も必要とされるのは、曲がる力に対する性能の高さです。柱に比べ木材自体の若干の曲がりは許されます。これらの点から梁にもっとも適している樹種には、アカマツやベイツガ、ツガ、カラマツなどが挙げられます。
実際は、ベイマツが多く使われているようですが、九州地方で多用されているスギも増えています。また、最近ではベイマツなどを原料とした集成材も人気があります。

 土台は地面に近いため湿気や腐食に強い木材が求められます。そのため、どんな樹種を使うにしても必ず心材を使用することが大前提となります。
樹種としては、ヒノキ、ヒバ、ベイヒ、ベイヒバなどが適しています。また、入手が難しくなっているのですが、クリも土台に最適な木として古くから使われています。しかし、実際に多く使われているのは木材(ベイツガなど)に防腐剤や防白蟻剤を注入した防腐剤注入土台と呼ばれているものです。